スティーブンスピルバーグの映画作品の特徴について徹底解説!

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映画『激突!』(1971年)を皮切りに、『ジョーズ』(1975年)、『未知との遭遇』(1977年)などのヒットを飛ばし、世界的な名声を確立した映画監督スティーブン・スピルバーグ。

その後も、インディ・ジョーンズシリーズ(1981年~2008年)などのコミック・アクションを始め、『E.T.』(1982年)や『ジュラシック・パーク』(1993年)の大ヒット作へと続きます。

 

また、シリアスな作品にも意欲を見せ、『シンドラーのリスト』(1993年)では第66回アカデミー賞作品賞を始め7部門受賞。

様々なジャンルの映画を生み出していますが、スティーブン・スピルバーグの映画作品はどんな特徴があるのでしょうか。

気になりますよね。

 

今回はスティーブン・スピルバーグ監督作品の特徴について、5つ挙げて解説していきます。

 

スティーブンスピルバーグの映画作品の特徴について徹底解説!

 

幅広いジャンルを扱っているスティーブン・スピルバーグ監督。

作品の中で特徴的だと思えるものを5つ挙げてみました。

 

  • 身近な恐怖
  • サイエンス・フィクション
  • こだわりの映像
  • 音楽
  • 近・現代史への視点

 

以上の5つを一つずつ見ていきましょう。

 

身近な恐怖

 

今や恐怖映画の古典ともいえる傑作『激突!』

ハイウェイで前を走っている大型タンクローリーを追い越したセールスマンのデビッド(デニス・ウィーバー)が、逆に大型タンクローリーに追いかけられて恐怖を感じる。

その恐怖はやがて命の危険を感じるものとなっていく、といった実にシンプルな構成ながら、誰もが一度は経験するような、車社会における日常の恐怖を描きました。

 

さらに、夏の海水浴場で発生したサメの恐怖を描いた『ジョーズ』

楽しめるはずの海が恐怖の現場へと変わってしまう。

普段、何気なく目にしている美しい海の底に潜む怖さを描いた映画で、私たちの身の回りに存在する恐怖が、初期のスピルバーグ作品の特徴でもありました。

 

サイエンス・フィクション

 

SF映画は元々、ジョルジュ・メリエス監督の『月世界旅行』(1902年)、『海底2万マイル』(1907年)をはじめとして、フリッツ・ラングの『メトロポリス』(1927年)など古くからありました。

フランス、ドイツなどのヨーロッパが主流を占めたSF映画に、1930年代以降ハリウッドが進出を始め、『ジキル博士とハイド氏』『フランケンシュタイン』のような古典を題材として映画を製作。

その流れは続き、『ミクロの決死圏』(1966年)、『2001年宇宙の旅』(1968年)といった傑作を生み出します。

 

スティーブン・スピルバーグ監督はSFにも目を向け、人類と異星人の交流を描いた『未知との遭遇』(1977年)を発表。

ファンタジー的要素を取り入れた感動作『E.T.』(1982年)は大ヒットを記録。さらに『ジュラシック・パーク』(1993年)の快進撃へと続きます。

 

また、現実的な未来世界にも視点を移し、『A.I.』(2001年)『マイノリティ・リポート』(2002年)など、ファンタジー的要素を排し、未来の社会問題にも切り込みました。

 

こだわりの映像

 

娯楽映画の印象が強かったスピルバーグが、かなりシリアスな作品として取り組んだのが『シンドラーのリスト』

それまでにも『カラー・パープル』(1985年)『太陽の帝国』(1987年)など、シリアスな作品で一定の評価を受けたものもありますが、作風に付きまとう甘さが抜けきれませんでした。

 

スピルバーグ自らの出自と、ユダヤ人のホロコーストを扱ったことも影響したのか、リアリズムに徹した『シンドラーのリスト』はアカデミー賞7部門受賞の快挙

この映画の中で特に印象に残ったのが撮影です。

撮影に当たったのはヤヌス・カミンスキーで、その後もスピルバーグ監督の映画に関わり続け、1998年の『プライベート・ライアン』では二度目のオスカーを手にしています。

 

『マイノリティー・リポート』のザラついた映像。

『戦火の馬』(2011年)では背景の空を大胆に取り入れたきめ細かい映像で、巨匠ジョン・フォードが現代によみがえったおもむきがありました。

ヤヌス・カミンスキーが加わったことによって、作品全体に格調の高さが生まれ、それがスティーブン・スピルバーグ監督の映画の特徴となっています。

 

音楽

 

スティーブン・スピルバーグ監督作品の大きな特徴のひとつに音楽があります。

『続・激突!  カージャック』(1974年)以降、スピルバーグ作品のほとんどに渡って関わり続けたのが作曲家ジョン・ウィリアムズ

軽快で華やか、活力に満ち、ときに重厚な作曲は1984年のロサンゼルス・オリンピックのテーマ曲を作ったことでも知られ、スピルバーグ監督の映画にはなくてはならない存在になっています。

 

またスピルバーグ監督はクラシック音楽も積極的に使い、『マイノリティー・リポート』ではシューベルトの『未完成交響曲』、ヨハン・セバスチャン・バッハの『主よ人の望みの喜びよ』

『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015年)ではショスタコーヴィチの『ピアノ協奏曲』

 

『シンドラーのリスト』では世界的なヴァイオリニスト、イツァーク・パールマンを起用。

収容所へ送られるユダヤ人を乗せた貨物列車が通過する際に流れる憂愁を帯びた曲は胸に迫ります。

 

『プライベート・ライアン』(1998年)ではマレーネ・ディートリヒの『リリー・マルレーン』を効果的に使うなど、音楽はスピルバーグ監督作品の大きな特徴となっています。

 

近・現代史への視点

 

『シンドラーのリスト』の成功に気を良くしたのか、次作では黒人奴隷の実話を扱った『アミスタッド』(1997年)を発表。

作品としての質の高さはありましたが、ストーリーのメリハリに欠け、パッとしない内容でしたが、翌年の『プライベート・ライアン』では見事に復活。

さらに、『ミュンヘン』(2005年)『リンカーン』(2012年)と政治色を帯びた大作へと舵を切っていきます。

 

とりわけ、東西両陣営の冷戦時代を扱った『ブリッジ・オブ・スパイ』は地味な話ながら、トム・ハンクス、マーク・ライランスの名演技もあって、冷戦時代の緊迫した雰囲気が伝わる傑作です。

娯楽映画だけではなく、史実に軸足を移して傑作を生み出すのもスピルバーグ監督作品の特徴となっています。

 

まとめ

 

スティーブンスピルバーグの映画作品の特徴について徹底解説! ということで、いろいろ見てきました。

映画作品の特徴というよりは、一部、スピルバーグ監督の特徴みたいになってしまいましたが、いかがだったでしょうか。

 

  • 身近な恐怖
  • サイエンス・フィクション
  • こだわりの映像
  • 音楽
  • 近・現代史への視点

 

『激突!』『ジョーズ』のころのスピルバーグの鮮烈な印象が強くて、『未知との遭遇』では以外なスピルバーグの一面を見せてもらいました。

SFを撮るのかと思えば、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』では冒険活劇。『カラーパープル』では黒人問題と、幅広く活動範囲を広げていきます。

 

豊かな才能を持った監督ですが、驚いたのは、1993年の一年間に、『ジュラシック・パーク』と『シンドラーのリスト』という映画史に残る傑作を立て続けに発表したことでした。

早撮りがスピルバーグの身上とはいえ、この人は天才なのか、と思ったものです。

『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997年)はヤル気がさそうに見えましたが、その後は一作ごとに完成度の高い作品を生み出していきます。

 

これからも、ますます優れた作品を期待したいと思います。

 

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