ルパン三世で宮崎駿が携わったのは何話?テレビ版と映画版を紹介!

国民的アニメとなった『ルパン三世』シリーズ。アニメ界の“巨人”宮崎駿監督も初期のテレビシリーズを始め、劇場用映画などでもルパンとの関わりを持っています。

放送開始当時の第1シリーズは視聴率が思ったほど伸びなかったため、高畑勲、宮崎駿が在籍するAプロダクションが途中から参加。

多少の視聴率の回復はあったものの、劇的な上昇は望めず、第1シリーズは放送終了となってしまいました。

 

その後、『ルパン三世』第2シリーズが放送開始。宮崎監督はシリーズの全作品ではなく、何話かで脚本・演出などに関わることになります。

今回は、宮崎駿監督が携わったのは何話だったのか、また映画についても見ていきたいと思います。

 

ルパン三世で宮崎駿が携わったのは何話?テレビ版

 

『ルパン三世』テレビシリーズで宮崎駿監督が携わった回を一覧表にしてみました。

 

■シリーズ1

  • 第7話 : 狼は狼を呼ぶ
  • 第8話 : 全員集合トランプ作戦
  • 第10話 : ニセ札つくりを狙え!
  • 第11話 : 7番目の橋が落ちるとき
  • 第13話 : タイムマシンに気をつけろ!
  • 第14話 : エメラルドの秘密
  • 第15話 : ルパンをつかまえてヨーロッパに行こう
  • 第16話 : 宝石横取り作戦
  • 第17話 : 罠にかかったルパン
  • 第18話 : 美人コンテストをマークせよ
  • 第19話 : どっちが勝つか三代目!
  • 第20話 : ニセルパンをつかまえろ!
  • 第21話 : ジャジャ馬娘を助けだせ!
  • 第22話 : 先手必勝コンピューター作戦!
  • 第23話 : 黄金の大勝負!

 

■シリーズ2

  • 第145話:死の翼アルバトロス
  • 第155話:さらば愛しきルパンよ

 

シリーズ1:7話、8話、10話、11話、13〜23話

 

大人向けのテレビアニメとして1971年(昭和46年)に放送が始まった『ルパン三世』。ハードボイルドタッチで殺しも辞さないクールでダークなヒーローとして颯爽さっそうと登場したルパン三世。

しかし、テレビアニメの視聴者のほとんどは子どもであった時代、茶の間に入り込んだダークなヒーローは敬遠され、視聴率の低迷を余儀なくされます。

 

視聴率回復のための挽回策が練られ、それまで演出を担当していた大隅正秋からAプロダクションへと演出が移り、Aプロダクションに在籍していた高畑勲、宮崎駿などの意向が反映されます。

大人向けから子供向けへと軌道修正がなされ、第7話、第8話、第9話あたりはまだ初期のルパン三世の雰囲気が残っていましたが、第11話あたりになると変化が見られるようになります。

 

第11話『7番目の橋が落ちるとき』は、レギュラーの峰不二子や五右エ門の姿は無く、ヨーロッパの古城が登場して、可憐な少女リーサを助ける心優しいルパンの姿が描かれます。

これは後年の劇場用長編アニメーション『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)の、ヒロイン・クラリスを助けるために奔走するルパンと同じ雰囲気を持ち、その原型とも思われます。

 

豪華客船でのエメラルド争奪戦を描いた第14話『エメラルドの秘密』では、峰不二子はそれまでのロングヘアからショートヘアに変わり、表情なども児童アニメの特徴へと変化が見られます。

峰不二子のヘアスタイルは第15話『ルパンを捕まえてヨーロッパに行こう』で再びロングヘアへと戻りますが(一部ショートヘアになっています。多分作画の間違い)、次回以降はショートヘアに。

峰不二子は美女というより、カワイ子ちゃんへと変身。少女的な峰不二子になっていきます。

 

ルパンはワルサーを手にすることも少なくなり、お色気も抑え気味になって子ども向けのルパンへと変わっていきます。

しかし、視聴率は思ったほども伸びずに、1972年の第23話『黄金の大勝負!』で第1シリーズは終了します。

 

シリーズ2:145話:死の翼アルバトロス

 

第1シリーズは終了となったものの、再放送などが影響したのかルパン三世の人気は回復を見せ、1977年(昭和52年)には第2シリーズがスタートします。

3年に渡る全155話の長期に及ぶ中で、宮崎駿が関わった回として現在でも人気の高い第145話『死の翼アルバトロス』。

 

湖畔のキャンピングカーですき焼きを楽しむルパンと次元大介、五右エ門の三人。そこへ何者かに追われた峰不二子がマシンガンを片手に飛び込んできます。

派手な銃撃戦が展開され、ルパンたちは辛くもその場から逃れることになります。

そこに残された超小型原爆の発火プラグを見つけたルパンは、峰不二子を襲った謎の集団の黒幕ロンバッハ博士を突き止めます。

 

表向きはロンバッハ航空ミュージアムの館長としてのロンバッハは、裏へ回れば兵器の密売人。銭形警部に変装したルパンはロンバッハに近づきますが、こともなく見破られてしまいます。

一方、ロンバッハに捕まった峰不二子は全裸にされて発火プラグの所持を確かめられ、ルパンが発火プラグの交換条件に不二子の身柄引き渡しを要求。

 

ロンバッハは大型飛行艇アルバトロスで原爆売り込みのための飛行に乗り出します。それを阻止しようと、銭形も巻き込んだ激しい空中戦を展開。

アルバトロスを乗っ取ったルパンと次元、不二子たちを乗せて、アルバトロスは悠々と空の彼方へ消えていきます。

 

第2シリーズへの参加を断った経緯があったためか、宮崎駿の本名は使わず、照樹務てるきつとむの変名で脚本・絵コンテ・演出を担当した快作『死の翼アルバトロス』。

湖畔のキャンピングカーでのオープニングの丁寧な作画は目を見張るものがあり、また、大型飛行艇アルバトロスの登場や航空ミュージアムといった、飛行機好きでもある宮崎駿色の濃い作品。

 

シリーズ2:155話:さらば愛しきルパンよ

 

『死の翼アルバトロス』と同じく照樹務てるきつとむの名前で脚本・演出を担当した宮崎駿は、最終回ということもあったのか、意表外な展開を試みます。

本物のルパンや次元大介、石川五右エ門などは脇役にまわり、ニセモノのルパン一味がストーリーの大半を占めるという、まさにトッピな話を作り上げました。

 

1981年、東京。通行人でにぎわう街の上空に突如としてロボットが飛来します。人々が驚き騒ぐ中、地上に降りたロボットは宝石店を襲撃。宝石などの貴金属を強奪します。

宝石店では警察に通報。警察隊が出動してロボットに銃撃を浴びせますが、銃弾などものともしないロボットは悠然と飛び去ってしまいます。

後にルパン三世からの犯行声明が出され、事件はルパンの犯行と知れますが、実は、ロボットを操作していたのはルパン一味とは無縁の小山田マキという美少女。

 

ロボットは装甲ロボット“ラムダ”で、マキの父で科学者の小山田博士が国防軍の依頼を受け、永田重工の資金援助で開発したものでした。

しかし、ロボットが軍事目的で使われる危険性を知り、小山田博士が亡くなったいま、娘のマキが亡き父に代わってラムダの危険性を知らせるため、ラムダを暴れさせていたのです。

日本に帰国した銭形警部は事件を知らされますが、ルパンがそんなことをするはずがない、それはニセモノだろうと主張。しかし、政府はラムダの破壊を決定。

 

ルパンは再びラムダを暴れさせます。それを知った国防軍が出動。街が混乱におちいる中、国防軍の戦車隊は渋滞の列に突入。ラムダを狙った砲弾は街を破壊して多数の死傷者が出る惨事へと発展。

混乱の中、銭形警部はルパンにつかまり、ルパンがニセモノであることを見破ります。マキはニセルパンにそそのかされてラムダを操り、ラムダの破壊力を宣伝するために利用されていたのです。

ニセルパンは永田重工の社長の息子で、お荷物となったラムダの売り込みのために、永田重工の社長が仕組んだものでした。

 

利用価値の無くなった小山田マキを縛ってラムダに乗せ、ラムダもろとも国防軍の手によって破壊させようとしますが、間一髪で銭形警部がラムダに飛び乗り、マキを救い出します。

しかし、それは銭形警部に変装した本物のルパンで、ルパンは黒幕である永田重工の社長のもとへと向かい、事件の決着を図ろうとします。

突然現れたルパンに驚いた社長は、ラムダと同じ装甲ロボット“シグマ”にルパンを抹殺させようとしますが、シグマの制御装置はマキによって変更され、シグマは社長を襲い、工場を破壊します。

 

朝日の昇る海岸の道路を、ルパン、次元大介、石川五右エ門の三人を乗せたフィアットが走っていきます。その横を走り抜ける峰不二子の大型バイク。

朝日が海を染める中、ルパンたちを乗せたフィアットは、朝日の向こうへと走り去っていきます。

 

ドラマの全編を通して、本物のルパンたちの登場する場面は少なく、次元や五右エ門にいたってはセリフらしいセリフがなく、ほとんどはニセモノのルパンたちによって占められています。

宮崎駿はルパンの第2シリーズにはかなり不満を持っていたらしく、それまでのルパンはニセモノで、最終回に登場したルパンこそが本来のルパンだというメッセージを込めたものと思われます。

しかしこれは制作者サイドからの反発があり、一度は没になったという経緯もあったようです。

 

装甲ロボット“ラムダ”は、後の『天空の城ラピュタ』(1986年)に登場するロボットの原型でもあり、ロボットが軍事目的に利用されるという、軍拡時代への非難を込めたものでもあります。

『死の翼アルバトロス』と同じく、また、それ以上に作画のクオリティーが高く、20数分という短い時間でありながら、密度の濃い作品で、ルパンシリーズでも屈指の人気作。

 

ルパン三世で宮崎駿が携わった映画は?

 

テレビシリーズでの『ルパン三世』の人気が高まり、劇場用長編アニメーションが製作されて、吉川惣司脚本・監督『ルパン三世 ルパンVS 複製人間クローン』(1978年)が公開されます。

子ども向けへと変化していったテレビシリーズのルパンに不満を持った制作者サイド、そして観客層の思いをくみ取って企画されたもので、収益は9億円を超えるものとなります。

 

劇場用として第二作が企画され、宮崎駿が脚本・監督に乗り出したのが『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)。

観客層を第一作より広い層に広げ、ヨーロッパの古城を舞台にするなど、ロマンチックな設定で公開に踏み切りましたが、収益は前作を下回ってしまいます。

しかし、高い作画のクオリティーや、お姫様を助ける心優しいルパンが描かれるなど、その魅力はテレビの再放送などで徐々に浸透。『カリオストロの城』はルパンの代名詞ともなっていきます。

 

ルパンと次元大介はモナコの国営カジノの金庫から大金を盗み出すことに成功しますが、それはよく出来たニセ札で、その精巧さのゆえに幻の“ゴート札”と呼ばれているものでした。

ニセ札には手を出さないルパンによってゴート札は車からばらかれ、ゴート札の真偽を確かめるべくルパンたちは世界最小の国連加盟国カリオストロ公国へと向かいます。

カリオストロに入ったルパンと次元は、謎の集団に追われている花嫁姿の少女を助けます。少女は今は亡き大公の娘クラリスで、カリオストロ伯爵に結婚を強要されたために逃げ出したのです。

 

クラリスはルパンの救出もむなしく追っ手に捕まってしまいますが、その場に残された指輪を見つけ、ルパンは10年前を思い出します。

まだ駆け出しだった青二才のルパンはゴート札を狙うべくカリオストロ公国に潜入しますが、深い手傷を負い、もうダメだ、と思ったときに助けてくれたのが幼いクラリスだったのです。

そんな因縁もあって、インターポール(国際刑事警察機構)に身を置く銭形警部を呼び寄せ、クラリス救出のためカリオストロ城へ忍び込みますが、地下牢獄への穴に落とされてしまいます。

 

カリオストロ公国は数百年来に渡って大公家と伯爵家に分かれており、国政を担っていた大公家とは逆に、伯爵家は国政の闇の部分を担っていました。

大公が謎の死を遂げ、その娘のクラリスとの結婚によって権力と富をわが物にしようと目論むカリオストロ伯爵の陰謀を知ったルパンは銭形と協力して地下牢を抜け出します。

公国へ駆けつけた五右エ門の助けもあり、伯爵一味との死闘を繰り広げたルパンは勝利し、ニセ札工場はインターポールによって捜査の手が入ります。

 

しかし、クラリスの指輪は伯爵の手に渡り、クラリスの指輪と伯爵の持つ指輪を合わせることによって権力と富を得ると信じた伯爵が、家紋の像に指輪をめ込んだことによって異変が生じます。

閉じられていた水門が開き、奔流となってすべてを流し去った後に、水没していたローマの古代遺跡が出現したのです。

 

事件は終わり、クラリスを抱きしめ、公国を後にして去ってゆくルパンを見てクラリスは、あの人は何も盗まなかったと言います。しかし銭形は、いや、ルパンはあなたの心を盗んだのです。

 

まとめ

 

ルパン三世で宮崎駿が携わったのは何話?テレビ版と映画版を紹介! ということで、いろいろ見てきました。いかがだったでしょうか。

テレビシリーズとしては。

 

■シリーズ1

  • 第7話 : 狼は狼を呼ぶ
  • 第8話 : 全員集合トランプ作戦
  • 第10話 : ニセ札つくりを狙え!
  • 第11話 : 7番目の橋が落ちるとき
  • 第13話 : タイムマシンに気をつけろ!
  • 第14話 : エメラルドの秘密
  • 第15話 : ルパンをつかまえてヨーロッパに行こう
  • 第16話 : 宝石横取り作戦
  • 第17話 : 罠にかかったルパン
  • 第18話 : 美人コンテストをマークせよ
  • 第19話 : どっちが勝つか三代目!
  • 第20話 : ニセルパンをつかまえろ!
  • 第21話 : ジャジャ馬娘を助けだせ!
  • 第22話 : 先手必勝コンピューター作戦!
  • 第23話 : 黄金の大勝負!

 

■シリーズ2

  • 第145話:死の翼アルバトロス
  • 第155話:さらば愛しきルパンよ

 

また劇場用映画として『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)。

 

宮崎駿はテレビ『さらば愛しきルパンよ』、映画『カリオストロの城』を最後にルパンに関わることはありませんでした。

初期のルパン第1シリーズでは、視聴率の低迷からAプロダクションへと演出が移り、より広い層へ向けたドラマ作りがなされていきます。

第11話の『7番目の橋が落ちるとき』ではヨーロッパの古城が登場して、少女(リーサ)を助ける心優しいルパンが描かれるなど、『カリオストロの城』の原型ともとれる回もありました。

 

峰不二子の描き方なども、第14話の『エメラルドの秘密』以降では、それまでのロングヘアからショートヘアへと変わり、美女というよりカワイ子ちゃんになってしまいました。

ストーリーは単純化し、銭形はどうあがいてもルパンを逮捕できない道化役、危機におちいれば都合よくヘリが現れて助けてくれるといった安直なストーリー。

なんでもかんでも真っ二つにする五右エ門は、人間除雪車にまでなってしまう荒唐無稽なスーパーマンぶり。

 

第19話「どっちが勝つか三代目!」というものものしいタイトルの割には、ルパン一世の宿敵ガニマール警部の三代目ガニマールは、子どもだましのルパンの手口に手玉に取られてしまいます。

神出鬼没、変幻自在はいいとしてもルパンに敵が無さすぎる設定では飽きられてしまい、23話で終了となってしまったのも致し方のないところです。

30分物の一話完結ドラマでは複雑なドラマは作りにくかったのかもしれません。

 

そんな中でもルパンや次元大介、石川五右エ門の持つ強烈な個性は魅力を発揮。

しかし『あの胸にもう一度』(1968年)のマリアンヌ・フェイスフルをモデルにした峰不二子に関しては、宮崎駿監督のお気に召さなかったようにも見受けられます。

マシンガンを派手にぶっ放して登場する『死の翼アルバトロス』の峰不二子は、それまでのエレガントさはなく、カンフーアクションを披露して暴れまくるにいたっては峰不二子とは別人のおもむき。

 

けれども、それぞれの作品で示されたクオリティの高さは群を抜くものがあります。

宮崎駿のルパンには賛否がありますが、『死の翼アルバトロス』『さらば愛しきルパンよ』、そして『カリオストロの城』における人気度が示すように、ルパンを支えたのも宮崎駿だといえます。

 

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