美しい街並みや北欧の大自然、そして幻想的な風景が織りなす愛と冒険のロマンチック・ファンタジー『アナと雪の女王』。
気になるのは、『アナと雪の女王』の物語の舞台となったアレンデール王国や、アナとエルサが住む城はどこかに実在するのかな、といったことかと思います。
もちろん、ファンタジーの世界ですから、そのものがそのまま実在することはありません。
しかし、エルサが創った氷の城や、アレンデール王国、アナとエルサの城など、そのモデルとなったものは存在します。
今回は『アナと雪の女王』の舞台となった場所や城のモデルを紹介したいと思います。
アナ雪のアレンデール王国のモデル
ノルウェー ベルゲン pic.twitter.com/srdF4CxkQY
— ~世界の美しい絶景~Beautiful view of the world~ (@Beautifulviewo1) November 2, 2020
『アナと雪の女王』の舞台となったアレンデール王国は架空の国ですが、そのモデルとなったのは、北欧ノルウェーのベルゲン。
スカンジナビア半島の西に位置するノルウェーは東隣にスウェーデン、フィンランド、さらにロシアへと続き、北ヨーロッパの厳しい自然と美しい風景を併せ持った国です。
その魅力は、ノルウェーが生んだ作曲家エドヴァルド・グリーグの《ペール・ギュント》の音楽の壮大で抒情性あふれる曲によく表れています。
アレンデール王国のモデルとされたベルゲンはノルウェーの第二の都市。
ノルウェーの南西部の海岸に位置し、魅力的で観光の呼び物となっているフィヨルド(氷河による浸食作用で形成された湾や入り江)を有する美しい街です。
また、13世紀から17世紀にかけて北海やバルト海の沿岸で成立したドイツのハンザ同盟で繁栄した貿易の中心地でもありました。
そのようなことから、波止場や、旧市街にはブリッゲンと呼ばれる木造倉庫群が残され、世界遺産となっています。
アナ雪の城のモデル
あの時の決断は
正しかったかな?そう思うことだらけ pic.twitter.com/YEKRT7ZVFf
posted at 10:21:42— アナと雪の女王 (@anayukifan2) November 1, 2021
『アナと雪の女王』では、主要な城が二つ登場します。
一つは、アナと姉のエルサが住んでいる城で、もう一つはエルサが創った氷の城です。
その二つの城についてもモデルがあります。
- アナとエルサがいる城:アーケシュフース城
- 氷の城:ボルグンド・スターヴ教会
それぞれの城についてみていきましょう。
アナとエルサがいる城のモデル:アーケシュフース城
アナと雪の女王のモデル?
「アナ雪」のエルサとアナが住むアレンデール王国。そのモデルの一つとされている国がノルウェー王国と言われています🇳🇴
首都オスロのアーケシュフース城(Akershus slott og festning)はとても綺麗ですよ! pic.twitter.com/C6AA0FXqxC— 東京都立大学王室研究会(TMURS) (@TMURS2020) February 23, 2020
アナとエルサが住む城のモデル、アーケシュフース城はノルウェーの首都オスロの海岸沿いに建つ石造の古城。
もともとは隣国スウェーデンからの防衛のための要塞として13世紀に建てられたもので、別名“アケルスス城”とも呼ばれます。
その後、14世紀になるとデンマーク=ノルウェー連合が結成され、17世紀にはデンマーク・ノルウェーの君主で名君と言われたクリスチャン4世によって大規模な改築が行われています。
改築によってルネサンス様式の壮麗な宮殿となり、その姿をいまに残しています。
氷の城のモデル:ボルグンド・スターヴ教会
ボルグンド・スターヴ教会。ノルウェー。12世紀。Borgund Stave Church. Norway. 12th century. (more: https://t.co/jG0bOvoDjg) »(◕‸◕)« pic.twitter.com/eV3KuDbX0k
— 幽谷響 (@x_YAMABIKO_x) July 29, 2016
宮殿を離れ、雪の降り積もる峻厳な山へ向かったエルサは、自分の王国を築くため、魔法によって氷の城を創ります。
エルサの創った氷の城のモデルとなったのが、ノルウェーの首都オスロから北西のランダール市にあるボルグンド・スターヴ教会。
8世紀から11世紀にかけて、ノルウェーではバイキングの活動が活発で、バイキングたちは独自の宗教を持っていたようですが、後にはキリスト教への改宗が多くみられるようになります。
ノルウェー系のバイキングたちが自分たちの造船技術をもとに造った教会がスターヴ教会。
バイキングは船の造船などの木造技術にすぐれていましたから、ネジやクギなどは使わず、厚い木の板を垂直に並べた壁を持つため“樽板教会”とも呼ばれています。
ノルウェーの伝統的建築様式で建てられた独特の風格を持つスターヴ教会は国内に28を残すのみとなり、その中で最も保存状態のいいのがボルグンド・スターヴ教会。
屋根にはキリスト教の特徴の十字架ではなく、バイキングの守護神である竜頭が飾られていて、全体的に黒い色で異様を誇るボルグンド・スターヴ教会は、まるで黒い竜を思わせます。
映画では、黒い竜ではなく、透き通る幻想的な城として、エルサの心象風景を表すかのような、厳しさの中に壮麗さを持つ美しい氷の城として描かれます。
まとめ
引用 : アナと雪の女王公式サイト
アナ雪のアレンデール王国や城のモデルとなったのは?詳しく解説! ということで、映画の舞台となったアレンデール王国や、お城のモデルなどを見てきましたが、いかがだったでしょうか。
- アレンデール王国:北欧ノルウェーのベルゲン
- アナとエルサがいる城:アーケシュフース城
- 氷の城:ボルグンド・スターヴ教会
人口約500万人の北欧の小国ノルウェーは、デンマークやスウェーデンの干渉を受けながら独自の文化を発達させてきた歴史があります。
『アナと雪の女王』ではディズニーのスタッフがノルウェーに入り、調査と研究を続けて、ノルウェーの魅力を3Dアニメーション・ファンタジーというかたちで私たちに見せてくれました。
特に圧巻だったのは、雪深い山に上ったエルサが『レット・イット・ゴー』を歌いながら氷の城を築いていく場面で、暗い風景ながら、背景を圧する山々の荘厳さが目を引きました。
地理的に日本から遠く離れているため、なかなか訪れる機会が少ないノルウェーですが、その魅力的なフィヨルドやアレンデール王国のモデルとなったベルゲンなど、一度は訪れてみたい国です。