かつてホンダ1強と言われた時代もあったF1では、近年メルセデスがその座を独占状態になっています。
F1に用意される2つの世界タイトルを、6年連続で取り続けたチームは、長い歴史の中でもメルセデスしかないほどです。
メルセデスが異次元の強さを見せているのは言うまでもなく、ここまで強すぎてはつまらないと思うファンも少なくないはず。
そこで、そんな彼らの強さに隠された理由を詳しく紐解いていきましょう。
なぜメルセデスはここまで強くなったのか、彼らが強すぎる理由は何なのかについて探ってみたいと思います。
メルセデスが強すぎてつまらないと思うのも、強さの理由がわかればまた新たな楽しみ方を発見できるかもしれません!
今年でF1は1000戦を迎え選手権が始まってから70年という節目の年ですが、今シーズンもメルセデス1強は続くのでしょうか。
F1のメルセデスが強すぎてつまらない?1強と言われる理由は?
It’s tough to wake up on a #AusGP Saturday not raring to go for Qualifying….
No fire ups, no sexy laps, no cheering crowds, no celebrations.
All of us in @F1 have worked so hard to be ready for the new season, and it hurts not to be out there on track today. pic.twitter.com/sU5YEnizha
— Mercedes-AMG F1 (@MercedesAMGF1) March 13, 2020
まずは前シーズンのランキングを見てみましょう。
コンストラクターズランキング
- メルセデス(739点)
- フェラーリ(504点)
- レッドブル(417点)
確かに2位との差が200点以上もあるのは、確かにメルセデス強すぎますね(笑)
そんな彼らの強さの秘密に迫っていきたいと思います。
メルセデス1強の理由はずばり、以下の3つの理由があると考えられます。
- 理由①ピレリタイヤを把握しきっている
- 理由②名将:ロス・ブラウンの存在
- 理由③チーム内の風通しの良さ
では、それぞれ詳しく解説していきましょう。
理由①ピレリタイヤを把握しきっている
メルセデスがここまで安定して強さを発揮できるのは、ピレリタイヤを使いこなすことができたことが一因にあるでしょう。
それはメルセデスF1のテクニカルディレクターの発言からも明らかです。
「この数年の開発においてチームの進歩に貢献したのはF1タイヤに対する知識と理解であり、それが紛れもない”武器”となった」と、1強の理由がタイヤであったことを認めているのです。
2007年にF1のタイヤはワンメイク化され、タイヤメーカー同士の競争もなくなり名乗りを上げるものもいなくなったため独占状態のピレリ。
過去には、常勝メルセデスでも頭を抱えたピレリタイヤの扱いにくさ。
しかし彼らは、いち早くその問題を乗り越えました。
具体的にメルセデスが行ったのは、ピレリタイヤをよりうまく活用できるマシンを開発したことだったのです。
メルセデスはレースのある終末を通して、タイヤを可動域に入れとどめておくことがほぼできるようになったのだと言います。
元々速さのあったマシンが、タイヤという弱点を乗り越えスランプに陥ることもなく、安定した走りを見せることができるようになったのです。
理由②名将:ロス・ブラウンの存在
かつて、2009年にプライベートチームとしてデビューシーズンでいきなりダブルタイトルを”メルセデス”にプレゼントして、たった1年で無くなってしまった幻のF1チームがありました。
それは【ブラウンGP】F1チームです。
このブラウンGPを率いていたのが、あのミハエル・シューマッハ伝説を作った立役者でもあるロス・ブラウンという人物なのです。
ロス・ブラウンはエンジニアとしても有能でしたが、レース中の状況やルールに対する理解度と先見性(解釈)にとても優れていました。
2011年に正式に決まった今回のエンジンルール改正を、彼が見逃すはずはなかったのです。
エンジン規定を読み解く際に、彼の本領が発揮されてエンジン開発が進められていたと考えられます。
ダブルタイトルを獲得した際にハミルトンは「この成功の立役者の一人はロス・ブラウンだ」とチームを去った彼の名前を出していたことでも明らかです。
現在のF1は
- 技術的に大きなレベル差がない
- 予算でパワーは買えない
- ルールは同じ
このような状況で各メーカーの資質に大差はありません。
では、何故なのでしょうか。
一定期間成績が振るわず厳しい意見がファンや、時にはチーム内部から出てきたとしても、それに耐えられるチームリーダーと勝つためのビジョンを持ってるかが重要となります。
しかし、そのビジョンには実現できる説得力がなければチーム内部や上層部から信頼を得ることが出来ません。
その説得材料として「ダブルディフューザー」の時と同じ様ように、ルールの「解釈」という武器を見つけた可能性が高いと考えられます。
こうやって見てくると現在のメルセデスの強さの秘密に”ロス・ブラウン”という名将の存在があることがよくわかります。
最大の功労者でチームリーダーであったロス・ブラウンという偉人のポジションを後進に委ねる決断をしたメルセデス。
そしてF1はチームの戦いであり、現在の活躍は偉人たちによって成り立っている事実なのです。
理由③チーム内の風通しの良さ
TEAM ❤️ Ending the year on a high!! ✊
#ATeamComeTrue
via @MercedesAMGF1 pic.twitter.com/MoXXS5YOG6— Mercedes-Benz (@MercedesBenz) December 28, 2019
これは先ほどの”ロス・ブラウン”の存在にも通ずるところがあるのですが、メルセデスの強さはチームが同じ目標に向かって団結しているからに他ならないでしょう。
それは、メルセデスのドライバーであるハミルトンの発言からも見て取れます。
- 1年を通して戦い続けることは、チームのスタッフ全員に取って精神的、肉体的に非常に厳しく、ドライバーにとれば精神的な強さが鍵になる。
- ドライバーは自分でミスを犯すと立ち直れないほど傷つくが、そこから立ち直って次のレースに向かわなければいけない。
- しかし、立ち直ってからより高いポジションを狙えるというのはドライバーひとりの力では無理で、僕は大勢の人々に支えられてレースを戦っている。
- 僕の仕事は彼ら全員から最高の力を引き出すことであり、そのためには話し合い、お互いを理解し合い、繋がり、不調の週末にはみんなの気持ちを鼓舞する。
- 目標を少しでも高く上げるには何が必要か話し合い、僕は僕の仲間達に変えるべきことを伝え、向上するために分析する。
このような彼の発言からもわかるように、メルセデスはチーム一丸となりそれぞれが最高のパフォーマンスを出し合っているのです。
そして、常に話し合いお互いを信頼しているのことこそが真の強さなのでしょう。
まとめ
今回はF1メルセデス1強となりつつある彼らの強すぎる理由について、詳しく紐解いてみました。
メルセデスがなぜ強いのか、その理由は以下の3つでした。
- 理由①ピレリタイヤを把握しきっている
- 理由②名将:ロス・ブラウンの存在
- 理由③チーム内の風通しの良さ
彼らも苦労せず勝ち続けているわけではなく、常に探求心を忘れずに何よりお互いを信じるチームワークの強さがあることがわかりました!
こうやってメルセデスの強さに隠された理由がわかると、強すぎてつまらないなんて思わず楽しめるかもしれません!
今シーズンは、一体どんな結果が待っているのかF1開幕が楽しみです!